白いちごからの佐賀県のブランディング考

今回南国フルーツさんの定期便

「九州いちごの旅」

で4種も白いちごと接することができました。

私にとって白いちごは、贈り物でしか買うことが多く、なかなか自分の口には入らないものです。

それを4品種も食べることができたなんて。

もともと「桃薫」は食べたことがあったので、人生で5品種。

食いしん坊とはいえよく食べたものだと自分でも笑えます。

 

今回届いたのは

福岡県産「天使のいちご」

佐賀県産「パールホワイト」

佐賀県産「雪いちご」

佐賀県産「淡雪」

味で好みだったのは、パールホワイト。

白いちごならではのスッキリとした味わいなのに、しっかりとした甘さがあり、実の硬さも好みでした。

また綺麗に白なので、紅白でいちごを贈り物にする時は、ファーストチョイスになるかな、と思いました。

白いちごだけでギフトにするなら、「淡雪」

見た目がピンクで可愛らしく、女の子がいる家庭の手土産に持っていくと喜ばれそうです。

あまおうしか食べない、という人にも、その見た目の可愛らしさから手が伸びるのでは?と思います。


共通点は

佐賀県産は「ゆりかーご」という最新のパッケージに入っているということ。

北九州の大石産業という会社が作っているいちご容器で、柔らかいフィルムでいちごを宙吊りにし

いわゆる「軟弱果物」と呼ばれるものを輸送に耐えられるようにしたものです。

(届いたものの中には、大石産業のものではないものもあるかもしれませんが、それまでは追跡できないのでご了承ください。ゆりかーごの詳細はこちら→ https://www.osk.co.jp/product/release.html#release001)


ゆりかーごで届いた白イチゴ、どれもいたみがなく、冷蔵庫に入れても日持ちが良かったです。

フィルム自体も触って少し抵抗があるというか、滑りにくい表面で、もしかしたら空気や水蒸気をうまく逃してくれる素材じゃないかなと推測。


高級感もありますが、おそらく容器自体も高価なのでしょう。

ギフトに使う白いちごには使いやすいのだと推測されます。

家庭用の安価ないちごのラインには使えないパッケージだろうなぁと思います。

赤いいちごで使われていたのは、WAKEAUで送られてきた、あまおうだけです。

これも輸送に耐えられる、という観点があるのだと思います。

もう一つのキーワードは「佐賀県産」

福岡県産の白いちごは「天使のいちご」だけでした。

大消費地、福岡で作られた「天使のいちご」は普通に黒いパックでスポンジが敷かれたものでした。

福岡県産なら、福岡という大消費地が近く、輸送距離が短いので、通常のパッキングでも大丈夫なのです。できるだけ資材代が少なければ販売しやすくなります。


あと、おそらく福岡では白いちごをわざわざ作らなくても、安定して売れる「あまおう」を作る農家さんが多く、生産される白いちごの品種が少ないのでしょう。

ただ、あまおうは育成者権が後2年で切れるので、福岡は「とよのか」「あまおう」に次ぐ第3の品種を画策しているところでしょう。どんないちごが登場するか楽しみです。


佐賀は人口から地元で消費するのも限りがあります。

白いちごは農家さんの情熱もあると思いますが、大消費地でのギフト用や新しさを求めるホテルなどの飲食用というゴール設定があったのかもしれません。

問題は、輸送によるいたみ。それを解消したのがこの「ゆりかーご」。

これで東京などの大消費地に打って出れます。

ゆりかーごが白いちごが全国に旅に出るマストアイテムなのです。

ギフト用ならば、資材代も販売価格に乗せやすく、身を削る価格競争にも巻き込まれずにすみます。


赤いいちごは、あまおうととちおとめの2大勢力があるので、そこで勝負するより、白いちごなら佐賀、という攻めたブランディングもいいかなぁ。

ゆりかーごのおかげで、完熟に近い状態でも、輸送に耐えられます。

東京や大阪のデパ地下のいちごコーナーで、佐賀県産の白いちごが、いちごコーナーの一角を作ると面白いなぁと思うのです。

目指せ、魅力度ランキング最下位からの脱却。

いや、魅力度ランキング最下位なのに、もまたブランディングかなあ?


白いちごを食べながら、ふふふと一人妄想する春でした。

あまぐりキッチン

Food Social Educator  「食で子ども・若者と社会をつなぐ」 美味しいとHappyはシェアしよう! 美味しいの世界は、深く広く、楽しい 知って食べることで、味も、日常も、世界も変わる その一口から見える世界を、未来を翔けるみんなに