ホスピタリティ
先月、私達夫婦も銀婚式を迎えました
無事にと言いたいところですが、私が熱発し、寝込み、
結婚記念日当日は非常にグダグダでした
結婚記念日に近い土曜日に
アイランドシティにある「KOGISHI」を予約していたのですが
延期に
色んな人に多大なご迷惑とご心配をおかけした、結婚26年目の始まりでした
それでも節目のお祝いをしたかったのは
主人の両親が、二人揃って金婚式を迎えられたこと
仲の良かった叔母夫婦が、金婚式を目前に叔父が逝去したこと
いろいろな夫婦の形を見て、
やりたくでもできないこともあるのだから、二人が生きているうちは、お祝いをしていこう
と、先輩方を見て痛感したからです
そしてようやく先日、家族揃って「KOGISHI」へ
シェフにも奥様にもスタッフの方にも、おめでとうございますの後に心配される私
その節は本当にご心配おかけしました
SUMMER VACATIONというテーマでのお料理
3月に鹿島であったイベントのお料理に感動していたので
また違うテーマのお料理に出会えることにワクワクが止まりません
お酒は、人生初のワインペアリングをお願いしました
ワインは独学で学んできましたが、きちんと体験はしたことがなかったので
いい機会なのでここで、と
次女はワインは苦手なので、好きなお酒をその都度頼むことに
家族揃ってお酒が飲めるのも、幸せだな、と思います
ルイナール ブラン・ド・ブラン
個性的なボトル 安定感があるので一輪挿しにしたら可愛いな、と思ったのは内緒
おそらく長女は人生初のシャンパーニュでは?
つぶらな瞳を大きくして飲んでました
ふふふ
前菜には「散策」というタイトルが
輪切りの木に提供された前菜
どれを食べるか迷うのは、森の中で迷ったアリスの気分
4人それぞれに食したものの感想が違って
それを語らいながら食べることのなんと豊かなことか
春のイベントでもあったムツゴロウのチップ
型抜きをどうしてるのか、この繊細な姿を見て想像してしまいます
手前のむつごろうも食べられるのですが、今回はディスプレイ
夏の海
岩牡蠣を低温で加熱して、エシャロットやデラウエア、バイマックル(コブミカンの葉)のゼリーにスイカのソルベ、種をイメージしたフランスのチョコレート菓子
1℃にこだわって調理した岩牡蠣
デラウエアの皮むきという繊細な仕事
エスニックで使われるバイマックルをアレンジして、スイカとともに夏らしさを演出
食べすすめる度に爽やかな海風を感じる一皿です
さすが夏休み
この牡蠣合わせたのは「鍋島 サマームーン」
なんと日本酒!
でも正解な気がします
鍋島はシェフの出身、佐賀の銘酒
九州の野菜にこだわっていらっしゃるシェフ
その野菜が育った水で出来た日本酒
サマームーンという名にふさわしく軽やかに仕立てられた鍋島は、
岩牡蠣にも野菜にも合ういい1杯でした
このボトルが出てきた途端「鍋島〜!!!」と喜ぶ4人
周りのお客様、お騒がせしてすみません
鍋島、家族みんな好きなんですもの 許してください
シェフのスペシャリテ「九州の大地」
解説はネットで検索すれば出てくるので割愛します
私の足りない言葉より、ネットのほうが多くの情報とともに詳しく解説してくれます
とにかくこれだけの数の野菜やソースの「仕事」をするので、「スペシャリテ」という名にふさわしい一皿です
お皿も有田のもので直径36cm
まるで1枚の絵を見るよう
お皿の上の野菜一つ一つの名前を言いながら
「え、まだそれ食べてない」と会話が生まれます
野菜を見て、名前を言って、美味しそうと言って、食べて、美味しいと言って、
25年、食卓に色んな野菜を出し続けた結果が
今この楽しい会話につながったと思うと
しみじみと感動しました
シェフありがとうございます
このお皿は季節で野菜が変わるので、違う季節に来たいね、と
じゃぁ、次の結婚記念日だとまた夏だから、それ以外のお祝いを考えないと
スペシャリテに出てきたワインは、セレーヌ テール・デ・ヨイチ
小岸シェフと同じく「ミシェル・ブラス」氏のスピリッツを持った醸造家平川敦雄氏が作る
北海道のワイン
今まで出会った安心院や都農、常滑とはまた異なるワインで
ため息が出ました
まだ知らない日本がこのグラスの中にあるなぁ、と
北海道は、フランスのボルドーなどと緯度がほぼ同じ
余市はウイスキーのイメージがありましたが、ワインもできるんだ、と思いました
旦那様が定年になったら
貯金をして貯まったら日本のワイナリーを1つ訪ね、
また貯金をして一つ訪ねという旅をしたいと密かに思っているのですが
行きたいワイナリーがまた一つ増えました
至高のBBQ
BBQぽくピックを刺してありますが、
ホロホロ鳥やサマートリュフなど、一般的なBBQではありません
(それが「至高」なのだろうけれど)
バナナのソースが遊び心とトロピカルな演出で、ヤシの木が見えたような…
このお皿、写真ではわかりにくいのですが、かなり特徴があるお皿で
次女が「これ、SAGAMADOに売ってるかも」と言ってました
今度「SAGAMADO」のぞいてみようかしら
有明海の恵み
アマダイを鱗つきのままパリッと焼いたものに
佐賀のサフランを使ったソース
シーアスパラガスも可愛らしく
有明海のそして佐賀の豊かさを表現されています
奥の黄色のソースは「佛手柑」
今まで小学生のみかん講座で
「佛手柑は食べられない」と伝えてましたが、まさかこうして食べられるとは
でもお味は大人味なので、小学生は食べられないかな
ここで出たのが アルザスのワイン ドメーヌ ポール ブランクのピノ・グリ
アルザスワインらしい細身のボトルと味わい お手本のようなアルザスワイン
サフランの香りや、カリッと焼いた甘鯛の鱗の香ばしさも
すべて懐に入れて優しく包んでしまう
そんなワインでした
夏の恋 と題された肉料理
福岡県産の「眠り締め鹿」という鹿のもも肉と
牛のボルシチ・バターチキンカレー・エビのグリーンカレーとナスのソース
お皿が出された後にシェフがひとりひとりかけてくださったのはマデラソースだったのかな?
鹿に気が行ってしまって、聞くの忘れてしまいました
そもそもジビエを締めるのに「ストレスを与えずに生きたまま締める」というのが
農学部長女とお肉博士1級の私には、どうしても想像がつかなくて
くくり罠にしろ箱罠にしろどうやっても野生の鹿を捕まえるには
鹿にストレスがかかるわけで
料理より猟が気になって仕方ない2人でした
ソースはなんとナスのソースが一番スパイスが香って
なんだろうなぁ カルダモンやクローブが入ってそうな気がする。。。
(間違ってたら恥ずかしい)
なぜ恋というタイトルになったのか
なかなか鹿は手に入らないとおっしゃっていたので
手に入らない、恋い焦がれるものなのか
お皿のひとときの儚さを恋に例えたのか
それはシェフのみぞ知る。。。
このときのワインは シャトー・シマール サンテミリオン グラン・クリュ
メルローとカベルネフラン
鹿とカレーに負けないしっかりとした味わいのワイン
もう少し重かったらランチには似合わない
この絶妙に良いラインを選ばれるのがさすがプロ
私ならただただ好みでシラーのワインを選ぶかも
ペアリングでお願いしてよかった
勉強になりました
メロンクリームソーダは
想像を超えたソーダ
パチパチする飴や炭酸ガスを含んだメロンのソルベなど
どこからこの発想を得るのか、感動します
デザートワイン
デローソーテルヌ
デザートワインの知識は乏しいのですが、
この1杯だけでも十分満足なデザートのようワインです
独創と言う名のデザート
桃のババ ルバーブ ピンクグレープフルーツと見た目も甘く可愛らしい一皿
ルバーブは北海道や長野などの高冷地で作られていて、九州ではあまり馴染みのない野菜
ジャムが多いのですが、こんなふうにパリッとしたルバーブは初めて
本当に「独創」です
そしてお祝いのメッセージも
ありがとうございます
こんなふうに素敵なバラが描けるなんて本当にアーティストです
私はバラが描けないので本当に尊敬です
これで終わりではなく
余韻
びっくりするほどのデザート
いちごのケーキを、照葉のタワーマンションみたいだね、と笑いながら食べました
シェフこだわりのクレームブリュレ
温度管理が丁寧で、街のケーキ屋さんにも引けを取らないのですが
シェフは街のケーキ屋さんのことも心から尊敬されていらして
そのお互いをリスペクトする気持ちが、食の世界をより良くしていくのだと
教えていただきました
ワインが飲めない次女のために、スタッフの方が選んでくださったリキュールたち
帰りも、バスの時間を調べて、それまでお店に、と申し出てくださったり
一本道なのに、私達家族の姿が見えなくなるまで見送っていただいたり
最高なのは料理だけでなく、おもてなしの姿勢「ホスピタリティ」も最高のお店だと思いました
とても豊かな気持ちで帰路につきました
このお店にまた訪れるのにふさわしい人になるために、また今日から頑張ろう
そんな前向きなエネルギーをくれるお店でした
素敵なSUMMER VACATION をありがとうございました
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