大人になってわかること
高校の美術部の同期のお誘いを受けて、九州国立博物館の特別展「アール・ヌーヴォーのガラスーガレとドームの自然讃歌」に行ってきました。
実はガレは嫌いでした。
子どもの頃がちょうどバブルで、日本中が沸き立っていました。
美術品も投機目的なのか、本当の価値以上に価格が釣り上げられ、価値の分からないコレクターがガバガバと買い漁るように子どもの私の目に見えました。
ガレのランプもまさにその対象で、にわかコレクターが発生し、世の中の騒ぎっぷりに子どもながら辟易していました。
騒ぎだけでなくガレのランプまでも嫌いになるほどの日本の美術品に対する熱狂ぶりは、バブルが弾けると、熱も冷めていきましたが、私のガレ嫌いは消えませんでした。
ガレが悪いわけではないんですけどね。
そして、嫌いなのに、何故かこの展覧会は行かねばと思っていたのです。
不思議ですが。
そしてやっぱり行ってよかったと。
ガレの意匠、精密な虫の羽の描き方、素人でもわかる技術の高さ、そして日本への尊敬の念。
おとなになったからわかるその素晴らしさ。
子どもの私には分からなかっただろうなぁ。
キュレーターの展示の仕方も素晴らしい。
ガラスは360度見えるものがあるし、透かしや光の当たり方で見えるものも変わってくる。
そして、絵と違い、技法がそれほど世の中に浸透していないため。技法の一つ一つを丁寧に説明し、作品のキャプションにもすべての技法が書かれていて、これは膨大な仕事量だと容易に推測されるのです。
作品も素晴らしいのですが、作品の素晴らしさをどう伝えるか、それを形にしたスタッフの皆様に感謝です。
お陰様でガレが好きになりました。
これはドームだけど
更に一番好きだった忘れな草ではないけど。
写真OKな展示会でしたが、自分が映り込むのであまり写真は撮らず。
忍者レフ持ってくればよかった。
私が食育の授業の最後で言う言葉
「今好き嫌いがあってもいいです。嫌いなものもいつか食べられる日がやってきます。それは随分先かもしれませんし、明日かもしれません。だから一口でもいいから挑戦してください。嫌いだったら『今日じゃなかったかー』と思って、また挑戦してください。」
があります。
私のガレ嫌い克服の日は今日だったのかもしれません。
一緒に行ってくれたいたさん、ありがとう。
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