初鰹と祖母の言葉

目に青葉 山ほととぎす 初鰹  山口素堂

こんな句があるように、江戸っ子の粋の象徴の「初鰹」

粋だとか先取りとかではなくて

新玉ねぎが出て来る頃になると食べたくなるのが鰹です。

畑の新玉ねぎが今年は綺麗にできました。

こうなると、鰹が食べたい。

家族みんなで「鰹が食べたい」となるのです。


が、なかなかいい鰹にお目にかかれません。

今年は無理かなぁ、と諦めていたら

ふらっと寄った百貨店のタイムセールで、それは立派な鰹がなんと1000円になっていて

即買い。

畑の新玉ねぎをスライスにして

なんちゃってたたきに。

家にあるガスバーナーで炙りました。

脂が乗ってて、何度かファイヤー!になって怖かったです。

藁焼きではないのでスモーキーな感じはないですが、鮮度のいい鰹は臭みがなく、柔らかい。

いい初物を頂きました。


祖母が初物を食べるとよく

「初物は75日長生きする。」

といって、ありがたがって食べていました。

特に父は、何でもかんでも「初物初物」と年中いうので

子どもの頃は

「初物食べ続けたら人間死なないやん」

なんて思ってました。

なんて卑屈な子。

 

今思えば

旬のものは

美味しいだけでなく

その時期にたべると良い栄養があるから体にいいよ

という先人の知恵だったんだなぁ

食を学べば学ぶほど思うのです。

おばあちゃん、ありがとう。


そんな祖母はとても料理上手。

思い出の味の一つが

トコブシの煮付け


娘たちにはアワビの小さいのと言っちゃいましたが

生物学的には違う生き物。

私はトコブシのほうが柔らかくて好きかなぁ。


これもなかなか手に入らず、鰹と一緒にタイムセールになっていたものをお買い上げ。

初めて食べた娘たちも気に入ってくれました。

人生初物も、きっと長生きできるね。

おばあちゃんの味、伝えていきます。

あまぐりキッチン

Food Social Educator  「食で子ども・若者と社会をつなぐ」 美味しいとHappyはシェアしよう! 美味しいの世界は、深く広く、楽しい 知って食べることで、味も、日常も、世界も変わる その一口から見える世界を、未来を翔けるみんなに